知っておくべき日本の借金

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長期にわたる不況の結果、日本の借金が世界でも類を見ないほど大きく膨れ上がっていることは有名です。
ただ、経済の低成長も続いており、経済の再生が先か、財政再建が先かで大きく意見がわかれています。

いま、日本の借金はどのような状況なのでしょうか。
そして、国民の生活に大きな危機をもたらすような事態は本当に起こりうるのでしょうか。

 現在の日本の借金

まずは現在の日本の借金の状況を確認してみましょう。
日本の借金の総額は2015年末の時点で1044兆円。短期的には減少しているのですが、普通国債の発行額は増えているため、2016年3月には1087兆円と過去最高を更新する見込みとなっています。

日本の借金の話題で、各メディアが報じている「日本の借金を国民一人あたりに換算すると・・」という考え方がそもそも間違えているのです。
国債というのは決して国民の借金ではありません。政府の借金です。換算するのであれば、「政治家一人あたりの借金」とするべきでしょう。
今後テレビなどで国債の話題になった時は注意して見て頂きたいポイントです。

この借金はGDP比で世界1位。日本政府は資産を豊富に持っていますが、これを差し引いても経済破綻したギリシャに次ぐ2位という高さになっています。

日本の借金の原因は、単純に収入が少なく支出が多すぎるからです。
長期にわたる経済の低迷によって税収が減少、さらに少子化でさらなる税収減は避けられません。
一方で高齢化により社会保障費は増え続ける一方です。民間の平均給与が下がり続けているのに、公務員の給与水準が高止まりしていることも財政圧迫の一因だと言われています。
さらに天下り先の確保のため、不要な独立行政法人が多数存在しています。これらに注がれる金額は公務員給与よりも大きいと言われています。
景気対策という名目で行われている公共事業も財政を圧迫している大きな要因になっています。

 このままでは国家破綻?

個人や企業がこのような財政状況にあるならば、破綻は避けられません。
個人なら自己破産、企業ならば倒産ということになります。
なぜ破産や倒産が起こるかというと、お金が必要なのにそれ以上はお金を貸してくれる人がいなくなるからです。

日本の借金である日本国債の格付けは下がり続けており、近隣の中国や韓国よりも下になっています。
日本国債の評価が下がり続ければ、いずれ国債は買ってもらえなくなり、必要な資金を調達できなくなって国家は財政破綻します。
国が財政破綻をすれば公務員の数は大きく削減され、医療や福祉などのサービスは負担額が大幅に増加、公共事業は切り捨てられ、経済はさらに低迷を続けることになるでしょう。

財政破綻を避けるには、税収増をはかり、かつ支出を削減するしかありません。
ただ、税収増のためには人口の増加や経済成長が必要です。人口増には長い時間がかかりますし、経済成長のためには公共投資による支出が不可欠です。
財政支出を抑えるという方針と矛盾してしまうということもあり、税収増は一筋縄ではいかないのです。
そこで有力な方法となるのが支出の削減です。

かつて財政赤字が続き、「ヨーロッパの病人」と呼ばれたドイツは、大胆な支出削減で無借金経営を実現しました。
ただ、失業保険の削減や医療コストの事故負担額を引き上げるなど、国民の痛みを伴う改革を断固として行ったという経緯があります。
支出の削減も日本にとってはいばらの道なのです。

 問題ない、とする意見

こう見ると日本の破綻を避けることは難しいように見えます。
しかし、現在の日本の財政状況は特に問題にはならないという意見も根強いです。
GDP比で日本よりもはるかに少ない借金の国がいままでにいくつも破綻していますので、GDP比で見た日本の借金の比率はなんの意味も持たないという意見です。
また、過去にイギリスが日本を超える比率の借金を抱えたことがありましたが、このときイギリスはまるで問題なく破綻もしませんでした。
これらのことから、日本の借金のGDP比での大きさは問題にならないというのです。

この、「日本の借金は問題にならない」という意見の最大の根拠は、その借金のほとんどが日本国内から調達されているという事実です。
簡単にいえば、日本は家族のなかでお金を貸し借りしているようなものです。家族にいくら高額の借金をしても、普通なら破産するという事態は起こりえません。
なぜなら、お金を返せと強硬に言われないからです。
これまで破綻した国々は、外国から、しかも外貨でお金を借りていました。そして、それらの返済を迫られた結果、経済破綻に追い込まれたのです。
日本が国内、つまり日本国民から借金し続ける限り、破綻は起こりえません。
もし、お金を返せと国に要求したら、国が財政破綻して自分の生活も一気に苦しくなるからです。

日本の借金が問題ないとするもうひとつの根拠は、日本には豊富な対外資産があるからです。
日本の借金は主に国内からです。そして海外に多額のお金を貸している債権国です。
国家が破綻するのは海外からお金を返せと迫られるからですが、日本は逆に海外にお金を返せと迫れる立場です。
このことも日本の財政破綻はありえないとする有力な根拠になっています。

 ただし安心はできない?

ただし、だからといってこのまま借金を続けていいということではありません。
実は国内から借金をしていても、これが国家破綻につながったケースがいくつもあるのです。

時代も経済、債務状況も異なるのでひとくくりにすることはできませんが、万が一ということは起こりえます。
日本国債の格付けが引き下げられるのも、海外の国々が財政再建に励むのも、ひとえにこの万が一を見越してのことでしょう。
さらに財政状況の悪化は、直接破綻の原因にはならなくても投機筋のターゲットになり経済の混乱につながりやすいです。
日本にまだ潤沢な資産があるからといっても、やはり備えはしておくべきでしょう。

 個人でできる対策とは

日本の借金によるリスクは主にふたつ、公共サービスの低下と日本円の価値の暴落です。
国家財政が破綻すれば現在の公共サービスは維持できなくなり、医療費などが何倍にも跳ね上がる可能性があります。

また、日本の政府の信用力が大きく落ちるため、政府が発行する日本円の価値が大きく下がります。
このふたつのリスクに対処するには資産形成を普段から行い、今後のさまざまな負担の増大に備えつつ、日本円以外の形で資産を持つようにしましょう。
ドル建ての海外資産に分散投資しておくと、日本に何かあったときもリスクを軽減できます。
もちろん海外リスクもあるので、円建て日本資産とドル建て海外資産にわけて投資しておくのがよいでしょう。

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